- 評価した機関
- 株式会社 R-CORPORATION
- 評価結果の確定
- 2025/11/11
- 受審回数
- 1回
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総評(評価機関の記述)
泉の郷保育園なかだの概要
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●泉の郷保育園なかだ(以下「当園」という。)は、横浜市南西部の泉区に位置し、横浜市営地下鉄「中田駅」から徒歩約4分の住宅街にあります。国道22号線(長後街道)にも近く、横浜市と藤沢市の主要駅である「戸塚駅」や「湘南台駅」へは地下鉄で約10分と、交通アクセスに優れた立地です。当園は、国道から少し入った静かな住宅地にあり、周囲は戸建て住宅に囲まれています。高層建築がないため、日当たりや風通しが良く、屋上庭園からは丹沢・富士山・箱根・伊豆の山々を遠くに望むことができます。泉区は比較的新しく開発された地域で、園の周辺には畑や緑地が多く残されています。徒歩圏内(約1km以内)には、特色ある公園や緑地が約10か所点在しており、自然に恵まれた環境の中で、子どもたちはのびのびと過ごすことができます。 ●当園の運営主体は、社会福祉法人誠幸会(以下「法人」という。)です。法人の本部は、当園から長後街道沿いに約3km離れた泉区上飯田町にあります。法人は平成8年に設立され、「誰もが笑顔で暮らせる社会をつくる」という理念の下、高齢者介護・障害者支援・保育の3分野を中心に、主に横浜市内で事業を展開する総合福祉法人です。保育事業としては、泉区内で「泉の郷保育園いずみ」・「泉の郷保育園かみいいだ」・「泉の郷保育園なかだ」の3園を運営しており、地域に根ざした保育を提供しています。 ●当園は、延床面積約499.91㎡の園舎を有し、屋外には砂場や畑を備えた約250㎡の土の園庭があります。さらに、屋上には約170㎡のコーティングされた園庭があり、夏季には水遊びやプール遊びも楽しめます。クラス編成と定員は、0歳児から5歳児までの6クラスを編成しており、定員は、0歳児:3名、1歳児・2歳児:各10名、3歳児~5歳児:各13名の合計62名です。保育サービスでは、産休明け保育、乳児保育、障害児保育、延長保育を提供し、一時保育は現在、職員体制の整備中につき休止しています。地域とのつながり及び特色では、園庭開放をはじめとした地域子育て支援事業にも積極的に取組み、食育活動にも力を入れています。交通アクセスの良さ、園庭の充実、近隣に公園や緑地が多いこと、そして保護者用の送迎駐車場(約5台分)を備えていること等から、泉区内の各地域から多くの園児が通園しています。 1.
自然とともに、子どもの感性と主体性を育むのびのびとした保育
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当園では、「明るく健やかに」を基本理念に掲げ、オープンな施設環境と豊かな自然の中で、経験豊かな保育者(保育士)が、子どもたちの感性や主体性を育む保育を行っています。園舎は2階建てで、1階に0歳児から2歳児までの乳児クラス、2階に3歳児から5歳児までの幼児クラスを配置しています。幼児クラスは可動式の棚で仕切られており、壁がない開放的な造りのため、クラス全体を見渡すことができ、異年齢交流や行事の際にはワンフロアとして活用できます。乳児は月齢に応じたクラスとの交流を行い、幼児はクラス活動と異年齢児交流を柔軟に組み合わせることで、子ども同士の自発的な関わりを促しています。また、玩具等は子どもが自由に手に取れるように配置し、主体的に遊べる環境づくりを大切にしています。また、室内ではリズム遊びを中心に、園庭では思いきり走り回ったり、泥んこ遊びを楽しんだりと、のびのびと過ごしています。周辺には公園や緑地が多く、危険な暑さでない限り、晴れた日には園外へ出かけ、四季の図鑑を持って草花や昆虫等の観察を行ったり、特徴ある公園で自然や遊具を使った遊びを楽しんでいます。園内では、野菜の栽培やメダカの飼育等を通じて、生き物への慈しみの心を育てています。こうした活動を通じて、子どもたちは自然の中で多くのことを学び、感性と主体性を育んでいます。 2.
子どもの興味を引き出す食育の取組
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当園では、子どもたちが日常的に「食」を意識できるよう、保育室から厨房の様子が見える、そして厨房からも保育室が見えるオープンな環境を整えています。この構造により、栄養士と保育者、子どもたちが日常的に関わり合う機会が多く、自然な交流が生まれています。このような関係性を生かし、毎月の食育活動に加えて、栄養士と保育者が相談しながら、子どもたちの興味や成長に合わせた食育を工夫しています。ベランダでは、プランターを使って、クラスごとに枝豆、キュウリ、いんげん、ナス、ピーマン等の野菜を栽培しています。収穫した野菜は、キュウリの塩もみや輪切りのなす炒め等、保育者と子どもたちが一緒に調理し、食事として楽しんでいます。特に印象的なのは、4歳児クラスでナスが苦手な子どもが多かったことから、あえてナスの栽培に挑戦したエピソードです。自分たちで育てたナスを調理することで、クラス全員が美味しく食べることができました。また、園庭の畑では、トウモロコシ等の夏野菜や、大根等の冬野菜を子どもと保育者が一緒に育てています。収穫した野菜は給食に取り入れられ、子どもたちは自分たちが育てた食材を味わうことで、食べ物の大切さを自然と学んでいきます。こうした体験を通じて、子どもたちは「食べること」への関心を深め、感謝の気持ちや命のつながりを感じながら、健やかに成長しています。 3.
安全・安心を支えるリスクマネジメントの取組
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法人では、法人内に「リスクマネジメント委員会」を設置し、3つの姉妹園合同で事故やヒヤリハット事例を毎月報告・共有する体制を整えています。当園では、安全・安心な保育環境の実現を目指し、事故の予防や対応等、危機管理に関する多岐にわたるマニュアルを整備しています。特に、当園では、事故の未然防止に向けた「ヒヤリハット」の取組が注目されます。多忙な業務の中で報告書作成が敬遠されがちなヒヤリハットですが、看護師と保育者の2名を担当に配置し、誰でも気軽に報告できる工夫をしています。担当者は、画用紙に花のマークを描き、その上にヒヤリハット事例を記入した付箋を貼るという簡易な方法を導入し、付箋は色分けされており、通常の事例はブルー系、重要な事例はオレンジ系と、視覚的にも識別しやすくなっています。昼礼や職員会議では提出を呼びかけ、初期には提出者に景品を渡す等、提出促進の工夫も行われました。提出されたヒヤリハットは毎月「ヒヤリハット月報」としてまとめられ、件数や主な事例を園内に周知しています。さらに、指摘された危険箇所は写真とコメントを添えて冊子化し、園内に配架することで、職員全体で安全意識を高めています。ちなみに、今年度8月までの提出件数は、最も少ない月が4月で12件、最も多い月が5月で49件、月平均では約30件と、継続的な報告体制が確立されています。このような取組は、保育の質を高めるだけでなく、職員同士の連携や安心感につながっていくと評価できます。 4.
風通しの良い職場づくり・職場環境の安定化
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昨年末に就任した園長が中心となり、職員同士が協力・連携しやすい人間関係づくりに力を入れてきました。園長は、報告・連絡・相談(報・連・相)が事故防止や業務の効率化、職員間の協力体制の構築に欠かせないと考え、まずは「言いたいこと」「言うべきこと」を上下の立場に関係なく言える環境づくりに取組みました。職員会議や昼礼、個別面談等、あらゆる場面で園長自らが積極的に職員に声をかけ、意見を求める姿勢を示すことで、職員も安心して発言できるようになりました。発言は尊重され、現在では職員同士が忌憚なく意見を交わせる、風通しの良い職場環境が築かれています。職員4名へのヒアリングでは、「人間関係が良い」、「会議でも遠慮なく発言できる」、「職場の居心地が良い」といった声が聞かれました。また、昼礼に立ち会った際には、園長をはじめ職員が車座になって活発かつ和やかに報告や意見交換を行っており、安定感のある職場の雰囲気が感じられました。 5.
家庭とともに育む子どもたちの成長
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子どもの送迎時には、連絡帳のコメントに加え、その日のエピソードを保育者が口頭で保護者に伝えるよう努めています。また、保護者から家庭での様子を聞き取り、職員間で共有することで、保育に生かしています。当園では「伝言ボード」と呼ばれるクラス別のファイルを活用し、個々の子どもに関する情報を記録しています。朝、保護者から聞いた内容は朱書きで記載し、子どもの様子や伝えたいことも記入して、昼礼で職員間で確認し、伝え漏れがないよう細やかな配慮がなされています。保護者との関わりの機会では、クラス別懇談会、年2回の個人面談、保育参加(保育参観のみも可)期間の設定等、希望があれば、期間外でも柔軟に対応しています。さらに、運動会や発表会等保護者が参加できる行事も多数開催しています。日常の保育や園内行事の様子は職員が写真に撮り、ファイル化して玄関に掲示を行い、写真は販売も行っており、子どもの成長を保護者に伝える手段として活用されています。また、園だより等の各種おたよりを定期的に発行し、保育内容や保護者支援、園運営に関するアンケートも実施し、寄せられた意見や要望は検討の上、結果を保護者に丁寧にフィードバックしています。こうした取組により、保護者の安心感・信頼感・満足感の醸成に積極的に努めています。 6.
保護者との連携強化と業務効率化を目指したICT導入の必要性
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当園では、感染症発生時の情報提供等、保護者への連絡手段として一斉メールを活用しています。しかし、一斉メールは園からの一方通行の連絡手段であり、保護者や職員との相互のコミュニケーションには対応していません。今回の第三者評価においても、欠席連絡や連絡帳のアプリ化を求める声が複数寄せられました。また、園内の記録類はすべて紙媒体で手書きによって管理されており、職員の業務負担の一因となっています。業務効率化の観点からも、記録類をパソコン上で加除修正できるデータベース化が求められます。加えて、パソコンのセキュリティを強化することで、個人情報の保護をより一層図ることが可能です。園長は、業務のICT化の必要性を強く感じており、園内で導入すべきソフトウェア等の検討を進めています。ICT化には予算を伴うため、法人としての取組が不可欠です。法人では、中・長期計画「誠幸会 第2ステージ(令和2年度~6年度)」においてIT戦略を掲げ、内部業務のIT化やスマートフォン対応などを計画的に推進しています。今後、園内でICT化の方向性がまとまり次第、系列3保育園と協働して構想を具体化し、法人本部にプロジェクトへの参加を要請する等、計画的かつ迅速なICT化の実現が望まれます。 7.
目標管理を軸とした人材育成と人事評価の連動に向けて
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当園では、職員の意向把握を主な目的として、園長と職員との面接を年2回実施しています。面接では、自己啓発や職員の資質向上を目指した目標が話し合われることもありますが、目標管理を前提とした面接シートや面接の仕組みは整備されていません。一方、法人では「保育園の自己評価」という名称で、保育理念・保育内容・家庭との連携・研修・組織運営等、14項目(49質問枝)について、職員がA(4点)・B(2点)・C(1点)の達成度で毎年評価する取組を行っており、人事考課にも反映されています。但し、この自己評価表は全職員共通のものであり、職種や職責に応じた内容にはなっていません。人事管理システムにおいては、職種・職位階層ごとに求められる職責・知識・能力・技術等の水準や、研修・資格等の達成手段が人事基準として明確にされ、職員・上司・管理者(必要に応じて法人の人事担当者)が、年度当初・中間・年度末にそれぞれ評価を行い、その結果を職員のステップアップや人事考課(処遇)に活用する仕組みが求められます。また、職員や現場(園)が理解しやすい、明確な人事基準に基づく総合的な人事管理システムの導入が望まれます。人事評価基準と目標管理は連動して機能するため、法人によるシステム導入への取組が期待されますが、当園としては人材育成の手法として、目標管理を念頭に置いた面接(目標設定 → 進捗把握 → 評価・ステップアップ)を先行して実施されることを期待します。
項目別評価の結果
全国共通の評価基準にもとづき、評価機関が45項目を3段階で確認した結果の転記です。
a=よい水準 b=標準的 c=改善にむけた取組が期待される
「よい水準」でなかった項目(16件)をひらく項目をとじる
b・標準的園を取り巻く状況を把握している
原文: 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。(Ⅰ-2-(1)-①)
b・標準的経営の課題に取り組んでいる
原文: 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。(Ⅰ-2-(1)-②)
b・標準的数年先を見すえた計画がある
原文: 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。(Ⅰ-3-(1)-①)
b・標準的今年度の計画がある
原文: 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。(Ⅰ-3-(1)-②)
b・標準的計画を実行し見直す仕組みがある
原文: 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。(Ⅰ-3-(2)-①)
b・標準的評価をふまえて改善している
原文: 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。(Ⅰ-4-(1)-②)
b・標準的法令を守る取り組みをしている
原文: 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。(Ⅱ-1-(1)-②)
b・標準的園長が運営の改善を引っぱっている
原文: 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。(Ⅱ-1-(2)-②)
b・標準的職員の確保・定着の計画がある
原文: 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。(Ⅱ-2-(1)-①)
b・標準的人事の仕組み(評価・処遇)が整っている
原文: 総合的な人事管理が行われている。(Ⅱ-2-(1)-②)
b・標準的職員一人ひとりを育てている
原文: 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。(Ⅱ-2-(3)-①)
b・標準的研修の機会が確保されている
原文: 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。(Ⅱ-2-(3)-③)
b・標準的公正・透明に運営している
原文: 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。(Ⅱ-3-(1)-②)
b・標準的転園時の引き継ぎに配慮している
原文: 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。(Ⅲ-1-(2)-③)
b・標準的苦情を解決する仕組みがある
原文: 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。(Ⅲ-1-(4)-①)
b・標準的保育の記録を職員間で共有している
原文: 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。(Ⅲ-2-(3)-①)
b(標準的)・c(改善に期待)は「劣っている」の断定ではなく、評価時点でさらなる取組が期待された項目です。その後改善されている場合があります。
出典・原文を確認する
引用: 株式会社 R-CORPORATION による第三者評価の結果より。出典: かながわ福祉サービス第三者評価推進機構(神奈川県社会福祉協議会) ↗。