- 評価した機関
- 株式会社 R-CORPORATION
- 評価結果の確定
- 2023/03/29
- 受審回数
- 2回
評価時点の記録です。現在の状況は園や公表元で確認できます。見出しを開くと、評価機関の説明文が読めます。
総評(評価機関の記述)
大師保育園の概要
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●大師保育園の運営は、公益財団法人神奈川県労働福祉協会(以下、法人という)です。法人は昭和32年に日雇労働者の経済的自立と生活意欲の向上等を目的として設立されました。現在は就労支援部門、保育を通じた子育て支援部門、その他に会館・プラザ等の部門があり、その保育部門として大師保育園の他、川崎市川崎区の東門前保育園、横浜市中区のことぶき保育園の計3園を運営しています。大師保育園は、平成22年に川崎市立保育園の民営化政策に伴い、市立大師保育園(昭和26年開設)を公設民営の指定管理者として同法人が移管を受け、平成27年4月1日、完全移管となり、法人3つ目の保育園として運営しています。 ●大師保育園は、京浜急行大師線大師橋駅から徒歩8分の所に位置しています。近郊に川崎市の都市再開発プロジェクトにより「殿町キングスカイフロント」が誕生し、多摩川スカイブリッジが完成して羽田空港にも近くなったことから周辺地域にも新しいマンションが建ち並んでいます。大師保育園周辺は、昔ながらの地元商店街も残り、古き良き伝統の趣を残しながら、時代の最先端の影響を受けるエリアに位置しています。また、近くに産業道路があり交通量も多いですが、歩道は整備され、保育園入り口は大きな道から一本入ったところにあり、道を挟んだ東側はスーパーマルエツがあり、北・西・南側は駐車場や住宅地となっており安全が確保されています。 ●園舎は、旧市立保育園の施設全体を継続して使用し、定員130名の大規模園ですが、ゆとりある園舎(836.84㎡)となっています。2階建ての園舎1階は、乳児保育室(0歳~2歳児)、厨房、洗濯室、職員休憩室、事務室があり、2階は幼児保育室(3歳~5歳児)、ピアノのあるホール、給食室直結のダムウェーター(小荷物用エレベーター)と配膳車置き場を設け、2か所ある屋上の1つにはプールが設置されています。各保育室、廊下は広々とし、広い園庭(1101.15㎡)には東側に大きな園庭と、西側は乳児が遊べる小さな園庭が設けられ、子どもたちが安心して安全に遊べる園庭となっています。また、園庭の周りには多くの樹木や果実が植栽され、野菜等の菜園や花壇があります。平成24年には保護者協力の下、地域の植物や昆虫が棲み、季節が感じられるビオトープが完成し、自然保育と地域を大切にする大師保育園の特色となっています。 1.
自然環境教育
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四季を大切にし、自然と関わり、命あるもののつながりに出会い・触れながら、その中で成長し、育つよう、子どもたちに寄り添う保育を実践しています。広い園庭では、四季の移り変わりを自然を通して感じることができ、子どもたちの気づき・発見がたくさんあります。四季折々の花が園庭に植えられ、菜園では各クラスで季節の野菜を育て、果樹から果物を収穫したり、5歳児は水田で稲作をする等、自然が保育のベースになる取り組みが行われています。野菜の栽培は1歳児から始めますが、0歳児の段階から植物との触れ合いを指導計画に組み込み、「花や葉を見る、触れる」から始まり、「球根に触れる」、「栽培物の水やりをする」等、具体的に挙げ、実施しています。栽培では種がなる花を育て、種を取り、翌年にまた蒔いて育てることで自然界における命のつながりを子どもたちは実感できます。栽培活動では収穫して食し、そして、その先を考えた保育を行っています。例えば、5歳児が収穫した稲からの藁で正月飾りを手作りする等、収穫した体験を食、そして文化へとつなげています。また、10年前に園内に作られたビオトープには水生植物や、地域の昆虫や魚等が棲み付き卵から成長する姿を間近で観察ができ、命・自然の育みを大切にする心が育まれています。職員は「しぜんしんぶん」と称する壁新聞を作成し、園内の四季・自然との出会いから、園外で出会う自然にも興味・関心がつながるよう取り組んでいます。ビオトープは経年劣化により令和5年春に向けてリニューアルを進め、さらに自然環境教育に力を入れて行きます。 2.
園庭の菜園、水田を活用した食育
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園庭には季節の花や果樹だけではなく、菜園と水田もあり、菜園では1歳児から5歳児までの子どもたちが野菜を栽培し、各クラスで収穫を楽しむ他、秋には菜園でサツマイモを掘り、全クラスで焼き芋をする等、菜園や水田は保育園の大切なイベントを支える役割を果たしています。四季折々の野菜や果物ができる大師保育園の園庭は食育の実践の場でもあり、給食職員と保育士が協力して、食を楽しめる取り組みを行っています。乳児クラスでは彩りや見た目が分かりやすいプチトマト等を栽培し、幼児クラスになると収穫祭に向けて大豆を栽培し、その大豆を使って味噌作りをします。5歳児は米の栽培を籾から収穫まで一年かけて行い、収穫後には収穫祭を開き、調理実習を行います。また、4歳児の時に仕込んだ味噌を使い5歳児クラスで育てた根菜を具にした味噌汁を作り、収穫した米で自分用のおにぎりを握ります。大豆の栽培から収穫祭までの流れの中で、子どもたちは植物を育て、収穫し、料理を作り、みんなで食す、という一連の過程を、実体験を通して学ぶことができます。園内の環境を最大限に活用して、季節の流れと食物の成長のつながりを知り、命のつながり、自然との関わり合いを実感する等、子どもの豊かな感性が育まれています。 3.
完全給食の意義
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大師保育園は完全給食であり、川崎市の献立を利用しながら個々に合わせたアレルギー対応も行い、完全給食ならではの工夫を取り入れています。0歳児は離乳食対応を行い、栄養士と担当保育士とで段階を決め、家庭で食べた食材を採用しながら提供する等、きめ細やかな対応を行っています。2歳児以上ではトウモロコシの皮むきや豆類のサヤを剥く等、調理のお手伝いを行い、収穫した園庭の果物でジャムを作る等、体験を通して楽しみながら食を身近に感じる取り組みを行っています。行事食では、盛り付けや切り方の見た目を華やかにする工夫をする他、行事に関係する食材、例えば、ハロウィンの大カボチャを園内に展示する等、行事を通じて食材に興味を持つよう取り組んでいます。また、毎日の献立は乳・幼児別に給食の実物を紹介し、その日の食材の実物を入り口付近に展示する等、食材をより身近に感じてもらうよう工夫しています。給食をはじめとする食べ物は、全てが生きているものからできていて、時間や手間をかけてでき上がることを知り、調理する人への感謝も含め、意義のある取り組みを実践しています。 4.
ICT化のさらなる推進について
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大師保育園では現在、ICT化を推進しています。人材採用時に、記録等の手書きに難色を示す人への対処や、保護者からもデジタル化の希望の声等を鑑み、連絡帳や記録におけるアプリの導入を考え、ICTシステムへの移行に取り組んでいます。今年度から、データ管理をUSB方式から、園内にハードディスクを設置しサーバーでの集中管理へと移行しています。結果、USBの破損や持ち出しのリスク、データを同時に複数個所で使えないといった問題も解消し、保育日誌等の文書管理もICT化を進めることによって、情報共有の円滑化・効率化を進めています。また、登降園管理も保護者のスマホからのQRコード式に変更し、タイムカードの打ち間違いの解消や、延長保育料、給食費(主食、補食)等の電子決済を採用し、事務の効率化を図っています。法人系列2園よりもICT化は後発ですが、他の状況を参考にしながら大師保育園に合ったシステムを取り入れ、積極的に導入していかれることを期待します。 5.
園舎の長寿命化について
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公立保育園時代から歴史と共に、卒園児や近隣の方、地域に親しまれてきている大師保育園ですが、園舎の老朽化は中・長期計画での課題となっています。園では、建て替えよりも長寿命化改修による有効利用や補強の方向で考えています。長寿命化は廃棄物も少なく、サスティナビリティにも貢献し、園の姿勢に合っており、地域に親しまれる施設として、地域の拠り所としても大きな役割を果たせることが期待できます。メンテナンスしながら永続的に使い続けるためには、定期点検の実施や計画的な補修・補強プランの作成、建築履歴(メンテナンス履歴)の作成及び保存、施設の現状と課題の把握が必要となります。行動計画の策定時点で把握可能な状況を踏まえ、維持管理、更新等に係る課題を整理し、これまでの維持管理の取り組み状況を把握し、中長期的な維持管理、更新、コストの見直しを行う等、今後の取り組みを期待します。
項目別評価の結果
全国共通の評価基準にもとづき、評価機関が45項目を3段階で確認した結果の転記です。
a=よい水準 b=標準的 c=改善にむけた取組が期待される
「よい水準」でなかった項目(11件)をひらく項目をとじる
b・標準的園を取り巻く状況を把握している
原文: 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。(Ⅰ-2-(1)-①)
b・標準的数年先を見すえた計画がある
原文: 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。(Ⅰ-3-(1)-①)
b・標準的園長が運営の改善を引っぱっている
原文: 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。(Ⅱ-1-(2)-②)
b・標準的職員の確保・定着の計画がある
原文: 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。(Ⅱ-2-(1)-①)
b・標準的人事の仕組み(評価・処遇)が整っている
原文: 総合的な人事管理が行われている。(Ⅱ-2-(1)-②)
b・標準的職員一人ひとりを育てている
原文: 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。(Ⅱ-2-(3)-①)
b・標準的研修の機会が確保されている
原文: 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。(Ⅱ-2-(3)-③)
b・標準的実習生を受け入れる体制がある
原文: 実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。(Ⅱ-2-(4)-①)
b・標準的ボランティアを受け入れる体制がある
原文: ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。(Ⅱ-4-(1)-②)
b・標準的子どものプライバシーを守っている
原文: 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。(Ⅲ-1-(1)-②)
b・標準的転園時の引き継ぎに配慮している
原文: 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。(Ⅲ-1-(2)-③)
b(標準的)・c(改善に期待)は「劣っている」の断定ではなく、評価時点でさらなる取組が期待された項目です。その後改善されている場合があります。
出典・原文を確認する
引用: 株式会社 R-CORPORATION による第三者評価の結果より。出典: かながわ福祉サービス第三者評価推進機構(神奈川県社会福祉協議会) ↗。