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制度の解説と、当サイトの調査にもとづく読みものです。

  • ここdeサーチとは|保育園さがしでの使い方と、たどり着けない情報の補い方

    ここdeサーチとは|保育園さがしでの使い方と、たどり着けない情報の補い方

    この記事を読むと

    ここdeサーチは、全国の保育園・こども園の公表情報を調べられる国のシステムです。住所・定員・職員数・開所時間・第三者評価の受審状況などを、園ごとに確認できます。保護者が最初に見る欄、数字の鮮度の読み方、2025年から加わった経営情報の見方、そして「公表されているのにたどり着けない情報」の実態と補い方を、保護者と園・保育士の両方の目線でまとめました。

    最終更新日:2026年8月23日

    ここdeサーチとは

    ここdeサーチ(子ども・子育て支援情報公表システム)は、こども家庭庁が所管し、福祉医療機構(WAM)が運営する公表システムです。幼稚園・保育所・認定こども園・地域型保育事業などの設置者が、子ども・子育て支援法第58条にもとづいて都道府県に報告した情報を、誰でも検索・閲覧できます。ログインは要りません。

    載っているのは、運営する法人に関する事項、施設に関する事項、従業者(職員)に関する事項、教育・保育の提供内容、利用料、第三者評価の受審状況、苦情解決の窓口などです。2024年度からは認可外保育施設も掲載の対象になりました(認可外は報告が任意の項目があります)。

    保護者の使い方——まず見る5つの欄

    園のページは項目が多く、全部を読むと時間がかかります。園えらびの材料として差が出やすいのは次の5つです。

    何が分かるか見方の要点
    定員と在籍児童数年齢別の定員と、実際に何人いるか定員に対して在籍が大きく下回る年齢は、途中入園の余地の目安になります
    職員の数と資格常勤・非常勤の人数、保育士資格の有無在籍児童数と合わせると、子ども何人に職員何人かが計算できます
    開所時間・延長保育平日と土曜の開所時間、延長の有無送迎の現実性に直結します。記載がない園もあります
    第三者評価の受審状況受審の有無と、結果の掲載先掲載先が空欄の園が多い点は後述します(第三者評価の読み方
    苦情解決の窓口受付担当者・解決責任者・第三者委員の有無困ったときに園の外の誰に言えるかが分かります

    当サイトの各園のページは、これらの欄を公表データのまま並べ、あわせて先生の募集の観測記録を載せています。園名で検索すると、ここdeサーチの同じ園の情報を1ページで見られます。

    数字の鮮度の読み方——報告は年度が終わってから5か月以内

    ここdeサーチの数字は、リアルタイムではありません。設置者は毎年、前年度分の情報を報告します。2025年4月に施行された改正で、経営情報については「毎事業年度終了後五月以内」に報告することが法律に明記されました(子ども・子育て支援法第58条第2項)。つまり、いま見ている定員や職員数は、多くの園で前年度末時点の数字です。

    この時差を知っていると、読み違えが減ります。たとえば「在籍児童数が定員を大きく下回っている」のは、前年度末の状態であって、今年4月の入園後は埋まっている場合があります。逆に、職員数が去年のまま更新されていない園もあります。当サイトの園ページには、公表データの時点を「2026年8月5日取得」のように明記しています。

    2025年から加わった経営情報——人件費比率とモデル賃金

    2025年4月1日施行の改正で、施設型給付・地域型保育給付を受けるすべての施設・事業者に、毎事業年度の経営情報(収益と費用)の報告が義務づけられました。こども家庭庁の資料では、公表の方法を次のように分けています。

    • 法人の種類や施設の種類、定員規模などでグループ化して集計した結果を公表する
    • 保護者や保育士にとってニーズの高い人件費比率やモデル賃金は、誤解が生じないことと施設の権利利益を損なわない範囲を前提に、個別の施設・事業者単位で公表する

    これは保育士にとって大きな変化です。これまで求人票でしか分からなかった給与の水準が、園ごとのモデル賃金として公表側に並びます。保護者にとっても、人件費比率は「集めた給付をどれだけ職員に回しているか」を読む材料になります。認可外保育施設はモデル給与等に限って任意で報告できる扱いです。個別施設の公表が実際に画面に並ぶ時期は、初年度の報告と集計の後になります。

    限界——公表されているのに、たどり着けない情報

    ここdeサーチは便利ですが、載っているはずの情報にたどり着けないことがあります。当サイトが2026年8月に全国の公表データを集計したところ、第三者評価を「実施(結果の公表有り)」としている9,314施設のうち、掲載先の欄が空欄の施設が5,290(56.8%)、URLの記載はあるがリンクが切れている施設が352ありました。実際に結果へたどり着けるのは3,672施設(39.4%)です。

    「公表有り」9,314施設のうち、結果に到達できるのは39.4%

    空欄 56.8%到達できる 39.4%

    細い帯(3.8%)は「URLの記載はあるが開けない」352施設。出典: 当サイト調査(2026年8月・調査方法と都道府県別の内訳

    記載の有無は項目によっても差があります。当サイトが条件検索に使える項目を選ぶ際に記入率を測ったところ、延長保育は11.8%、定員は12.7%の園にしか記載がありませんでした。欄が空いているのは「その欄に記載がない」だけで、実態が無いことの確認ではありません。

    足りない情報は、次の場所で補えます。

    • 第三者評価の結果そのもの —— 都道府県の公表ページに残っていることが多く、当サイトは40都道府県・5,563施設分を園ごとのページに掲載しています(探し方の案内
    • 認可外保育施設の立入調査の結果 —— 都道府県等が公表しています(認可外の保育施設をさがす
    • 先生の募集が続いているか —— 当サイトが公開求人を毎日観測し、各園のページに記録しています

    園・事業者の方へ——報告の義務と更新

    教育・保育情報の報告は、子ども・子育て支援法第58条第1項にもとづく義務です。報告はここdeサーチの事業者向け画面から行い、認可園は自治体の確認を経て公表されます。2025年度からは経営情報の報告が加わり、期限は事業年度終了後5か月以内です。

    保護者が見ているのは、定員・職員数・開所時間・第三者評価の掲載先・苦情窓口です。とくに第三者評価の掲載先URLは、自治体のサイト改修で切れたまま残っていることがあります(当サイトの集計で352施設)。受審して公表もしているのに保護者に届かない状態は、URLを1行直すだけで解消します。

    よくある質問

    保護者もログインが必要ですか?

    要りません。ログインは園・事業者が情報を報告するときに使います。閲覧は誰でもできます。

    情報が古い園があるのはなぜですか?

    報告は年度ごとで、前年度分を年度終了後に報告する仕組みだからです。園が更新を忘れている場合もあります。公表データの時点は当サイトの園ページに明記しています。

    「ここでサーチ」「ココデサーチ」と表記がゆれていますが同じものですか?

    同じです。正式な表記は「ここdeサーチ」で、子ども・子育て支援情報公表システムの愛称です。

    口コミは載っていますか?

    載っていません。ここdeサーチは園側が報告した情報と、第三者評価の受審状況を載せる仕組みです。保護者の声は、第三者評価の利用者調査の結果に含まれています。

    認可外保育施設も載っていますか?

    2024年度から対象になりました。ただし経営情報の報告は任意の項目があり、認可園と同じ粒度で揃わない場合があります。

    出典

    この記事の数値は、ここdeサーチの公表データ(2026年8月時点)の当サイト集計にもとづきます。誤りを見つけられた場合は訂正の窓口からお知らせください。

  • 保育園の第三者評価とは|結果の探し方・読み方と、義務・費用のまとめ

    保育園の第三者評価とは|結果の探し方・読み方と、義務・費用のまとめ

    この記事を読むと

    第三者評価は、外部の評価機関が園の運営と保育を調べて、結果を公表する制度です。結果は1園あたり3万字を超える詳しい資料になり、事故防止や職員体制など、見学では分かりにくいことが書かれています。制度の仕組みと、結果の探し方・読み方を、保護者と保育士の両方の目線でまとめました。当サイトの全国調査で分かった「公表されているのに、たどり着けない」実態も、数字でそのまま載せています。

    最終更新日:2026年8月23日

    保育園の第三者評価とは

    第三者評価(福祉サービス第三者評価)は、園でも保護者でもない評価機関が、園の運営・保育の内容・利用者の声を調べて、結果を公表する仕組みです。評価機関は都道府県の推進組織が認証し、全国の取りまとめは全国社会福祉協議会が担っています。

    調査は書面だけではありません。園による自己評価、保護者向けのアンケート(利用者調査)、評価者の訪問調査を組み合わせて、「よい点」と「改善が望まれる点」の両方が文章で書かれます。

    監査・自己評価との違い

    似た言葉に「監査」と「自己評価」があります。役割が違います。

    仕組み誰が行うか何を見るか
    監査(指導監査)自治体法令・基準を満たしているか
    自己評価園自身自園の保育の振り返り
    第三者評価外部の評価機関運営と保育の質。よい点と改善点を公表

    監査は「最低基準を守っているか」の確認で、結果の多くは公表されません。第三者評価は「よりよくするための評価」で、結果の公表までが制度の一部です。

    受審は義務?——保育園は任意、社会的養護の施設は義務

    ふつうの保育園(認可保育所・認定こども園など)にとって、第三者評価の受審は義務ではありません。根拠になっているのは社会福祉法第78条で、「自らその提供する福祉サービスの質の評価を行うことその他の措置」に努める、という努力義務の書き方になっています。

    一方、乳児院や児童養護施設などの社会的養護関係施設は、3年に1度の受審と結果の公表が義務です(2012年度から)。「保育園も義務」と書いてある解説を見かけますが、義務なのはこの社会的養護の施設で、保育園は任意です。保育士試験の勉強でこの制度を調べている場合は、この区別が出題の要点になります。

    受審の費用と自治体の補助

    受審の費用は園の負担で、数十万円かかります。自治体によっては補助があり、東京都は上限60万円まで補助しています(東京都福祉局)。東京都の受審が全国より多いのは、この補助の仕組みによるところが大きいです。逆に、補助のない地域では受審のハードルが高く、受審の多さがそのまま園の質の差を意味するわけではありません。

    結果はどこで読めるか——探し方と「たどり着けない」実態

    評価結果の公表場所は、大きく3つあります。

    • 都道府県の推進組織の公表ページ(東京都は「とうきょう福祉ナビゲーション」)
    • 福祉医療機構の「WAM NET」
    • 国の「ここdeサーチ」の各園のページ(結果の掲載先URLが載る欄があります)

    ただし、当サイトが2026年8月に全国を調べたところ、ここdeサーチで受審状況を「実施(結果の公表有り)」としている9,314施設のうち、実際に結果へたどり着けたのは3,672施設(39.4%)でした。5,290施設は掲載先の欄が空欄で、352施設はURLの記載はあるもののリンクが切れていました。

    「公表有り」9,314施設のうち、結果に到達できるのは39.4%

    空欄 56.8%到達できる 39.4%

    中央の細い帯(3.8%)は「URLの記載はあるが、リンク先が開けない」352施設。出典: 当サイト調査(2026年8月・調査方法と都道府県別の内訳

    リンク切れは、自治体がサイトを更新したのに国のシステム側の登録が古いまま残って起きています。たとえば富山市では、市立保育所26園の掲載先が同じ1本の切れたURLでした。市自身は子育てポータルで結果を公表し続けているので、結果は存在するのに、国の窓口からは見つからないという状態です。

    当サイトでは、都道府県の公表元を個別に確認して、評価結果を園ごとのページに掲載しています(2026年8月時点で40都道府県・5,563施設分)。園名で検索して、評価のある園では「第三者評価」の欄から全文が読めます。

    ▼結果を自分で探す場合の入口はこちらにまとめています: 第三者評価の結果をさがす

    評価結果の読み方——3万字のどこを見るか

    評価結果は長い資料です。当サイトが収集した5,530件では、本文の長さの中央値が33,683字ありました。全部を読まなくても、何が書いてあるかが分かっていれば、必要な箇所だけ拾えます。集計すると、記載の内訳はこうなっています。

    評価結果に書かれている内容(当サイト収集の5,530件を集計)

    職員の育成・研修88.4%
    保護者対応・苦情の仕組み85.3%
    事故防止・安全管理75.5%
    職員の定着・働きやすさ73.5%
    虐待防止・子どもの尊重71.4%
    職員体制・配置63.3%

    各観点に触れる語が本文にある割合。出典: 当サイト集計(2026年8月)

    保護者が見る場所

    園えらびの材料にするなら、次の順で読むと短時間で済みます。

    • 「特に評価の高い点」「改善が望まれる点」 —— 評価者が園全体をどう見たかの要約です。ここだけでも園の輪郭が分かります
    • 利用者調査(保護者アンケート)の結果 —— いま通っている保護者の回答です。見学では聞けない声が数字で出ています
    • 事故防止・安全管理の項目 —— 睡眠中の確認、アレルギー対応、ヒヤリハットの扱いなど、命に関わる運用が書かれています

    保育士が職場選びで見る場所

    第三者評価は保護者向けの資料と思われがちですが、働く側から読むと、求人票に書かれていないことが分かります。上の集計のとおり、73.5%の評価結果に職員の定着や働きやすさへの言及があり、63.3%に職員体制の記述があります。

    • 職員体制・人材育成の項目 —— 研修の仕組み、キャリアパスの有無、業務負担への取り組みが書かれています。評価機関が第三者の立場で書くため、求人票の「アットホームな職場です」より具体的です
    • 職員自己評価の反映部分 —— 評価の過程では職員側のアンケートも行われます。その集約が「組織運営」の項目に現れます
    • 改善が望まれる点 —— 入職後に直面する課題が先に分かります。課題が書いてあること自体は悪材料ではなく、外部の目を入れて公表している園だという事実も含めて材料になります

    当サイトの各園のページには、公開求人の観測記録(募集が続いている期間)も載せています。評価結果の職員体制の記述と合わせて読むと、働く環境を立体的に見られます。

    よくある質問

    受審していない園は、よくない園ですか?

    そうとは言えません。受審は任意で、費用は園の負担です。補助が薄い地域では、受審したくてもハードルが高いのが実情です。受審の有無は「外部の目を入れる姿勢」の材料のひとつで、園の質そのものの判定にはなりません。

    何年ごとに受けるものですか?

    保育園には周期の義務はありません。東京都は補助の仕組み上、おおむね3年に1度の受審が定着しています。社会的養護関係施設(乳児院・児童養護施設など)は3年に1度の受審が義務です。

    評価結果が見つからない園があります。なぜですか?

    受審していない場合のほかに、「受審して公表もされているのに、国のシステムから掲載先が分からない」場合があります。当サイトの調査では、「公表有り」とする園の60.6%がこの状態でした。都道府県の公表ページを直接探すか、当サイトの案内ページから辿ると見つかることがあります。

    費用はいくらかかりますか?

    評価機関や規模によりますが、数十万円が目安です。東京都は上限60万円の補助があります。ほかの道府県は補助の有無・金額がまちまちで、この差が受審数の地域差につながっています。

    保育士試験では何を覚えればよいですか?

    問われやすいのは、①根拠が社会福祉法第78条(努力義務)であること、②保育所は任意で、社会的養護関係施設は3年に1度の受審・公表が義務であること、③評価機関は都道府県の推進組織が認証すること、の3点です。

    出典

    この記事の数値は、こども家庭庁「ここdeサーチ」の公表データ(2026年8月時点)と、当サイトが収集した評価結果5,530件の集計にもとづきます。誤りを見つけられた場合は訂正の窓口からお知らせください。